過去の棲家ver.ぴゅーらっくす 2013/01/07UP
物件名 | Sハウス |
探索日 | 2007年11月 |
廃墟開始 | 2007年3月末 |
分類 | 宿泊施設 |
規模 | 小規模 一棟 |
またぞろ各地から集まった物好きたちが、誰も顧みない所に集結する。好事魔多し。
三階建ての湖畔のホテル。まだ閉鎖間もないのでさほど草に埋もれていない。建物もきれいだ。
テラスの午後三時。じっと見つめて欲しいのよ。特別の愛でふるえてほしい。カコスミ3人の年齢はついにバカボン
パパを越えた。
玄関の靴箱。スリッパはお外に出られない。永久お留守番履物。温室育ちのボンボンシューズ。
玄関から回り込んだ所にあるカウンター。隠れカウンター。客に背を向け、客が通り過ぎるのを息を殺して待つスタッフ。
相変わらず厨房設備だけは置いて行かれる。それを回収する者。それを売る者。それを買う者。それを使う者。
それを使われる者。
手を洗う啓蒙ポスターに国体の影。スポーツの道も衛生から。清潔なくして勝利なし。ポンポン痛くては走れない。
80〜90年代感覚の自販機。商品は90年代発売。つまりセンスが時代遅れ。それにしても見たことない自販機だ。
24時間利用可能だったシャワー。浴室は狭い。下手すると一般住宅用と変わらない。日本人はフロをケチる事を嫌う。
浴槽も小さい。大人二人がやっと入れるサイズ。顧客不満足度bP。日本人はジャブジャブなのが大好き。
もうひとつの浴室には二つの浴槽。でも小さい。合計3人しか浸かれない。これではジャブジャブできない。
でも脱衣所は8人対応。間口は大きく。出口は小さく。入れるだけ入れて風邪をひかせる大☆作☆戦。
浴室は狭いけどビリヤード場はあった。これもプールといえばプール。ラシャがビリビリ。ビリヤード。
普段やらないビリヤードも不思議とルールは忘れない。ナインボールとローテーションくらいは男の嗜み。
館内見取り図。三階建てなのに客室ナンバーは500番台。三階にスタッフルームがある。客室にはトイレだけは完備。
何を狙ったのかピンクの手形が。百裂張り手だとするとエドモンド本田が犯人か。
テニスコートもあった。わざわざ観光地でテニスをやる奴の気がしれない。そういうのは家でやれ。
客室廊下は続いて行く。どこかにある400番代や300番代の部屋に続いている。隠し部屋はボーナスステージ。
535号室は洗面台の前。それにしてもなぜ500番代なのか。なんかこだわりがあったのか。それとも見栄か。
今はもうほとんど見かけなくなったピンク電話。携帯以前の時代には必須のインフラ。番号は頭で暗記。指が覚えていた。
客室という物置には椅子という客がひしめく。洋室なのか和室なのか曖昧な空間には、曖昧な存在が鎮座する。
客室の中心は寝具。寝かせるための施設。睡眠安全保障。光と音からの隔絶。つまり寝室に留置される懲罰とも言える。
和室なら和室であればいいものを、なぜか奥に洋間を付けたがる謎の日本様式。どうしてもないといけないのかそれは。
歪んだ空調機は使用できない。でもそこに居座る。テコでも動こうとしない。床に自分の居場所があるかぎり。
足が三本の人用トイレ。人間最後のプライベート空間。どんな事でも起こりえる。だから三本あっても不思議ではない。
障子の向こう側には虚数客室がある。ただそこへ行く方法を知らないだけだ。そこではまだ営業しているし、
満員御礼なのだ。
TELコメント:
観光地にあるホテルで3階建て、全16室。白い箱型の外観。
テニス、貸自転車、ビリヤード、etc…
判で押したような営業時の内容が垣間見えましたが、それを『面白みが無い』と私の様な立場の者が言う事は出来ません。
・・・えーっと、面白くない物件だったわけではないのですが。
なんの関係もないですが目の前の湖ではブラックバスが釣れるそうです。
pcfxコメント:
やっぱ風呂はケチっちゃいかんよ。ビリヤードやテニスコートがなくても、風呂だけは日本人として妥協しては
いけない。イングランドスタイルがベッド&ブレックファーストなら、ジャパンスタイルはフトン&風呂だ。
「いい風呂だった」という感想はよく聞くが、「いいテニスコートだった」というのは聞かない。そういうものだ。