過去の棲家ver.ぴゅーらっくす 2013/07/12 UP
物件名 | 観光旅館YS |
探索日 | 2007年7月 |
廃墟開始 | 1988年頃 |
分類 | 宿泊施設 |
規模 | 小規模1棟 |
観光旅館というより病院のような陰鬱な建物が突き当りにあった。
病魔に蝕まれているような佇まい。往時は活気があったのだろうか。
「歓迎」と書かれた看板に名前はない。つまり現在は誰も歓迎していない。無論我々も歓迎されてない。
ロビーだったと思われる室内は、旅館閉店後に事務所のような使われ方をしていたようだ。
海辺なので釣り船の手配もできたようだ。料金は旅館組合で決められており、良心的な値段になっている。
AVの撮影で有名になった家族風呂。現在でも盗撮されてる事が多い家族風呂。
でも中に入ってみると露天ではなく、ただの室内風呂。残念サービス。
レガシーメディアとなったVHSテープ。今考えるとムダにデカイ。でも小さいβより普及した。
さてここからが本番。この廃墟にはたくさんの絵画があり、それは部屋に飾ってあったものだけではない。
というより謎の絵画の方が多い。廃業後にここにいた者が残したと思われる。
組合によって営業時間から宴会時間まで決められている。これを守らないとどうなるんだろう。
宿泊施設における、このような集合洗面台は近年見られなくなってきた。全て個室に備え付けられる。
閉店後にここで誰かが集まって住んでいた形跡が残る。家具も持ち込まれている。
おかしな間取りの部屋。畳敷きであることから従業員用の角部屋と思われる。でかい船桶だ。
元は客室だった部屋に溢れる生活感。そういやビニールのクローゼットって最近見ないな。
室外機が室内にある。しかも外から強引に外して持ち込まれている。扇風機代わりなのか?
ボディービルダーのポスターを貼っていたようだ。これを貼りたい気持ちがわからない。
そして登場する謎の油彩画。風景画を見て自分も何か描きたくなったのか。それとも暇だったのか。
油絵で不気味っぽいものを描くと芸術に見えないこともない。AVの見過ぎが生み出した創作衝動。
授乳母子像の2枚目。描いた人はおっぱい、特に乳首に執着している。
珍生物の絵もあるが、ポケモンに出てくると言われたら信じそうなデザイン。
珍生物とおっぱいが合体。たぶん絵を描いた動機は、「絵の具が余っていたから」だろう。
タバコの箱を捨てずに転がしたまま。それも何十とある。こういう手合いは完全にイカレている。
酒とタバコと絵。住人は何がしたかったのか。病んだ心理と証拠。追い詰められた生き様。
彼の慰めはAVだけだったようだ。どうみても20代後半の「女子校生」が微笑みかける。
世界革命を目論んだ平成8年。ここに隠れ住んだ時代遅れの左翼活動家は、変な油絵を残して消えた。
海の見える廃ホテルで繰り広げられた、なんちゃって芸術となんちゃって左翼の饗宴も、既に後の祭り。
TELコメント:
しかし、「観光旅館」という言葉から受ける印象とは違う印象の物件でした。
スカイ風呂なる初めて聞く名前の風呂や、屋上からの眺めなど建物本来の持ち味と、
新・旧住人の入り混じった豊富な残留物によるものと小さいながらも内容の濃い物件でした。
しかしながら、物件の内部にはそれはそれは 妙な雰囲気 が漂っていました・・・
ヘンな気にあてられてしまった我々は、現在の居住者がいつ戻って来るかも知れない不安と闘いながら一刻も
早くコンプリートして脱出したい、という一点を目標に探索をしていました。
そういう意味合いからも内容の濃い物件でした。
pcfxコメント:
非常にカコスミ的な廃墟で、編集してるpcfxも久しぶりに満足した廃墟だった。
やっぱ廃墟ってこうでないと面白くない。