過去の棲家ver.ぴゅーらっくす 2013/05/15 UP





物件名 DKY鉱山
探索日 2010年6月・2013年5月
廃墟開始 2010年頃
分類 工場
規模 中規模1棟+屋外機械設備+事務所兼住居



温泉などに使う鉱石を採掘し、加工していた工場と住居兼事務所。



2010年には奥の工場があったが、2013年には取り壊されていた。



この部分はすっかりなくなっていた。



マイナスイオン・遠赤外線、まではわかるが、波動でいきなり怪しくなってくる。これを貼ってどうしたかったのか。



1階は事務所と従業員のための施設がメイン。2階は住居になっている。



事務所の中は残留物がそのままであり、典型的な夜逃げ廃墟の様相だ。ドッグフードがあり犬も飼われていたようだ。



犬置き去りオーナーがいなくなった後も従業員が訪れていた形跡があった。工場の後始末をしていたのだろう。



立派な言葉だが、廃墟に残っている時点で説得力はまるでない。全ては虚しく白けていく。



夜逃げ系廃墟では冷蔵庫の中身がそのまま。従業員の飲料が主な使い道だったようだ。



従業員用の浴室。何もかもがそのまま残っている。タオルも洗濯物も。突然終わった証拠。



波動階段を登ると、2階は経営者住居。



2階の一番奥に寝室。ベッドの大きさや残留物から、オーナーは独身で住んでいた事がわかる。



オフィス物が好みだったようだ。DVDデッキは見当たらなかった。



誰の写真なのか、フォトスタンドに入れて飾ってあった。どこかのお店の人か。



いくつかある部屋のうち客間。雨漏りした跡が残るが、まだ廃墟としては未熟な具合。



廃墟でよく見かける宗教団体のカレンダー。2006年は霊波92年らしい。廃墟につきものの宗教。



古いダム年鑑。2万円くらいする、ダムの事が全てわかる本。日ダム発行。水源地から電力まで網羅。



倉庫。もう取り壊されているが、中身はほとんどそのまま。ガワだけ壊したのか。



選り分けた鉱石を入れたトンパック。出荷寸前でデッドストックか。


製品の鉱石。ここの地元の名を冠した名前が付けられている。



製品倉庫は当時でもガランとして、これでも整理したのだというのが伝わってくる。



現在の様子。鉱石はそのまま雨ざらし。



工場には門型切断機。鉱石を切断し細かくする作業を助ける。わりとうるさい。



切断機の制御盤。「制御盤はこうあるべき」という美学に基づいたデザイン。



はたらく機械様。人の手間はかからなくなったが、人の仕事も奪っていく。人は働かなくてもよい。



でも機械も年を取る。機械にもロートルはいる。工場の端っこに追いやられる。



ガッチョンガッチョン動いていた機械も、いつしか動かなくなって年金生活。草と戯れる。



そして解体され、資源としてリサイクルされていく。機械と人の終わりは似ている。



最後に、犬は飼い主が見つかったようでよかった。この日を最後に誰もいなくなった廃墟。よかったな、ケン。



TELコメント:


山奥の鉱山跡とはなりますが、かつての花形産業だった『ヤマ』ではありません。

採石場に加工場がくっついたもの、といった風体です。

事務所には色々な訳アリ感が漂っており、人生悲喜交々といった感じですがどのワケも関わらない方が吉な気がしました。



pcfxコメント:


夜逃げなのか急病急死なのかはわからないが、ある日突然オーナーが消えたような痕跡が残る。戸棚に人参を焼酎に漬け

込んだ瓶があった事から、そっちの出自なのかもしれない。その後も従業員がわりと長い間必死に工場を守っていた様子が

残り、飼われていた犬(エサからみて大型犬らしい)は事務所でしばらく暮らしたあと、廃墟になる寸前に誰かに引き取られて

いったようだ。工場と倉庫は解体され、2010年の1月18日をもって、この建物は使われなくなった。


ここまでドラマが感じられる廃墟は珍しい。荒らされておらず残留物が豊富な廃墟だからこそだ。我々カコスミが望む廃墟

とは、ここのような廃墟だ。




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