過去の棲家ver.ぴゅーらっくす 2013/04/12 UP





物件名 JBDF幼稚園
探索日 2007年11月
廃墟開始 1990年頃
分類 教育施設
規模 中規模・平屋複数棟



ひしゃげたフェンス。それを貫く枯れ木。幼児のいなくなった幼稚園。寒風が吹き始めた頃に。



幼児が駆け回った庭にブランコがあった。もう鎖もなく、ブランコであるという証明ができなくなった遊具。



冬将軍の到来を前に、植物どもが死に絶える。次の戦いは来春以降。廃墟はモスクワ。



昭和61年(1986年)度の卒園生。この頃6歳だと2013年現在33歳くらいか。



手洗い場。衛生と殺菌の登竜門。公衆衛生学の初等教育。文明人の条件。



もみじ組。武闘派で知られる。近辺一帯を縄張りとし、日夜抗争に明け暮れる園児共の巣。



外来者はここから出入りする。この頃はまだ自由に出入りできる世の中だった。今は収容所と同じ。



床に奈落。悪いことをした園児はここからアビスに落ち、無間地獄を味わう。



侵食された床。もう外と中の境界は曖昧。ここで寝ても野宿と同じ。



屋根の崩壊は廃墟のエピローグ。しかし屋根が先にここまで壊れるのは不自然だ。なにかあったのか。



許されるべき落書きと、許されない落書きが、この世にはある。



広域暴力団さくら組。その名の通り、若い衆の命が桜のように連日散っている。日本最大の過激集団。



「訓練室」と「博徒室」。命知らずの鉄砲玉がここで養成され、資金源となる博打の経営まで教育する。



幹部が巣食う部屋。荒くれ共をひと睨みで大人しくさせる古強者の保母が、今日も死のオルガンを弾く。



外来者が用向きを語ると、この窓から目つきの鋭い保母が睨んでくる。怪しい奴はここで死ぬのだ。



外倉庫にあるもの:爆弾のコード、出入り用の棒、抗争の道具、頭を割る棒、変質者、ソープに沈めた女。



女の子は教えなくても人物画ばかり描きたがり、男の子は放っといても乗り物を描きたがる。プリセットセンス。



だが最近はオッサンが女の子ばかり書いており、どこかでプログラムが破壊されたとしか思えない。



上の絵は波に乗る船か?左の女児の右手が回転している。右の女児は右手に何かもっている。



せっかくのプリミティブアートにつまらないツッコミ。家、植物、雲、そして人。女の価値観が醸成されていく。



ほとんどが女児の落書き。オスガキが描くようなダイナミックな未来派の絵は見当たらない。1980アイコ16歳。



ガラスにまで塗料で描く園児。最後だから好き放題させたのか。猫、ウサギ、犬などが描かれている。



ここで走ったり歌ったり踊ったり、食ったり寝たり、泣いたり笑ったり、暴れ回ったりシマを取り合ったりしていた。



カン高い幼児の叫び声はもう響くことなく、静かに腐り落ちていく床や壁が、人知れず役目を終えていくのだ。



幼児の記憶は脳内で封印され、無意識という基礎となって人格の建設が始まる。基礎が緩いとビルは倒れる。



TELコメント:


人目がありありな立地で、侵入拒否圧力の高い物件でした。

探索時で20年近くの廃墟年齢を重ねていた訳ですが廃墟として、良い熟成をしていると個人的には思います。

比較的町の中に有るのに、荒らされていないのは廃園後に買い取った会社がきっちり管理をしていたからでしょうか。

ノスタルジーを全開にさせてくれる良物件でした。

まあ、実名ズバリで心霊スポットとして大紹介しながら潜入している動画とかをネットで見つけるとホビロンなんですが。 

(人生で初めてホビロンを使ったよ!)




pcfxコメント:


・・・まあなんだ、TELは「ホビロン」って言いたかったんだな。ずっと。




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