過去の棲家ver.ぴゅーらっくす 2013/04/10 UP





*過去の棲家ver.プラズマムヒより再掲載

物件名 WJEホテル
探索日 2005年8月
廃墟開始 1990年頃
分類 宿泊施設
規模 大規模



どうせ看板のホテル名は掲載できないので、過去の棲家ホテルということにした。



かつて従業員が並んで出迎えたかもしれない玄関は、モッサリした植物に覆われて腐りかける。



何者かによって入り口が破られている。必ず最初に破壊する者が現れる。その名をDQNと呼ぶ。



エントランスにはカウンター。かつては高級感溢れた空間も、今では水が溜まって見る影もない。



人間が寛いだロビーには蔓植物。田舎者なので珍しいらしく、行動が頓珍漢だ。



風光明媚な眺めを誇ったロビーは、逆に植物に覗き込まれる有様。植物の多くは廃墟マニアだ。



積年の湿気と吹込みによって腐りゆく事務所。もう勘定する収入もない。仕入れも客もない。



働いている中居さんの身の上には秘密がある。ただ源氏名で呼ばれる。本名は履歴書だけが知っている。



人為的破壊と風化が廃墟の景観を作る。できれば人為的破壊は避けたいのだが、誰も止めることはできない。



インクが退色して暗号文になっている。タヌキの絵が描かれてないので、「た」を抜いても読めない。



模範的な廃墟和客室。テレビの古さも丁度良い。電話もこれでいい。床の間という持て余し加減。



火災があった部分は焼け焦げと破壊と黴の王国。放水された水が最も腐敗を早める。



廃墟も火傷をすると皮膚が爛れ捲れる。血管や骨格や神経が垂れ下がる。ケロイド建築様式。



広間という空間は、何も密集して置かれないための部屋。いっぱい置いたら広間の意味が消失する。



時間が上空に向かって伸びる。地下には将軍と大奥の浴場。クラブには淀君、スナックにはねねがいる。



将軍の湯。将軍以外入浴禁止。足軽共は側溝で水浴びでもしてろという主張。でも金払えば入れる。



白黴ワールド。湿気パラダイス。舞い踊る胞子が鼻孔をくすぐり、廃墟探索者は皆肺を病む。



大規模ホテルだけあって浴室が広い。湯量だけでも毎日相当な出費だ。それでも日本人はジャブジャブする。



某所からの眺め。ご多分に漏れずこの手のホテルは建て増しの連続で迷路。渡り廊下と高低差。



このような廊下は機能的ではあるが趣はない。だが全部松の廊下にすると毎日事件が起こるので危険。



畳という貴人用マットだけでも豪華だというのに、その上座布団に座椅子まで完備。今では一億総貴族。



団地のような光景。洗濯物が干してありそうだ。割れた窓から手入れされてない森を眺めるという廃墟観光。



クラブ淀。祖父が愚昧で父が愚直だったが為に、運命に翻弄されたママが憂鬱な眼で酒を作る。



ロビーは青い。山の中でも深海気分。天井には運命が回転し、角にあるべきソファは離脱して船出する。



スナックねね。ここで浮気をするとすぐに信長にメールでチクられ、信長から「浮気すんなハゲ」とメールが来る。



メダルゲームのルーレット機。豆球が切れると当たりがわからなくなるというメンテ必須設計。



眺めを阻む杉林。元はなかった木がここまで育つ。早いようであり遅いようでもある。廃墟の時間は廃時間。



TELコメント:


有名温泉地の一角に佇むホテルの廃墟です。


この地には他にも廃業したホテルがチラホラ散見できますが、最近は買収によって息を吹き返す物件もあるようで

ございます。

今回の物件はこの地では心霊スポットとして名を馳せているようで人為的な荒廃が目立ちます。

物件の歴史、規模、複雑さ、熟成度など平均点を上回る優良物件で御座いました。(個人的尺度による)




pcfxコメント:


とりあえずここまでで、過去の棲家ver.プラズマムヒの再掲載物件シリーズは終了。の筈。全部は覚えてない。

ある日TELから送られてきたデータを見ると、全部あげた記憶のある物件ばかりだったので早速苦情を伝えた。


pcfx「再掲載ばっかじゃん。モチベあがらんわ」 TEL「まあいつかはやらなきゃならん再掲載だからいいだろ」

pcfx「だからといって連続はねえだろ。未発表のデータもよこせよ」 TEL「しょうがねえな。じゃあ今度送るわ」


というようなやりとりがあった。TELは廃墟で写真取ったのをすぐにまとめない。そしてデータだけHDDの奥底に

しまい込んでいるので、いざ掲載となると慌てて発掘しだす。まるで小学生の夏休みの宿題のようだ。彼に

反省の色はない。この8年間。


送られてくる写真データはほぼ取捨選択されていない。だからブレた写真やピンボケ、暗くてなに撮ったか

わからない写真が多数混入している。それらをいちいち選んで削除し、使える写真を絞りこんでリサイズする。

ピントの甘い写真ばかりなのでシャープネスをかけまくる。暗い所で慌てて撮った写真も多く、緑色になってる

のを修正する。そのような手間をかけてカコスミは作られている。画像編集ソフト大活躍である。pcfxがアドビが

嫌いな為、フォトショップは使っていない。カコスミは開陳以来、ペイントショップというソフトを使い続けてきた。


いつかこのやり場のない怒りを、「ダメ写真晒しあげコーナー」の設立によって表現したいが、そんな写真を

誰が見たいのかという需要の無さを考えて未だ実行していない。



で、今回のWJEホテルだが、わりと大型物件であり、戦国時代の日本史をテーマにした特色ある物件だ。

ホテル廃墟ではいつも思うのだが、現役時代にいってみたかったものばかりだ。そのためには潰れそうな

ホテルにあらかじめ泊まって撮影しておく必要があるが、どうやってそれを見分けるのかは議論の分かれる

ところだ。



inserted by FC2 system