過去の棲家ver.ぴゅーらっくす 2013/03/22UP
物件名 | RKC病院 |
探索日 | 2006年7月 |
廃墟開始 | 1992年頃 |
分類 | 医療施設 |
規模 | 中規模2階建 |
たまにある病院廃墟。医者は儲かってるように見えるが、稀にコケる経営もある。
初診カード、もしくは保険証、そして診察券を提出。イチゲンの患者お断り。
医者も神頼み。病は気から。つまりキチガイは治る病気も治らない。
延々待たされる待合室。ガラガラで待たされないヤブで有名な医者。どっちに行く?
骨が曲がったり折れたり。日常では自分たちに背骨があることすら意識してない。人間専門獣医。
「マッサージ治療について」の横にセクシーギャルのカレンダー。そして「各部位マッサージ」。
聞いてた執刀医が急遽変更。代わりにきたのが明らかにアホ面だった時、人は時の涙を見る。
病院に痛みを緩和させに来たはずが、新たな痛みを与えられる事が多い。病院は痛いところ。
針を刺されたり棒を突っ込まれたり切られたり捻られたり閉じ込められたりまずい飯を食わされるところ。
医療事務員の苦悩。保険点数というスコアを稼ぐ治療方針。薬出してナンボ。倫理と経済と法律。
キズナオールとビョウキナオールの2種類で済ませたい。あとイタミトマール。ナオリタガール。
配膳車が歩行者を避けて食堂に激突。飛び散る「患者メシ」。先延ばしになるメシタイム。ここでの唯一の希望。
栄養士が考える献立。薄味帝国。ここはホテルでもレストランでもない。でも刑務所でもない。
全粥食ばかり食べていると「おかゆフィーバー」がやってくる。病院だろうと容赦はない。
不動産屋に部屋探しに行って紹介されたのがこの部屋。ベッド・冷蔵庫付き日当り良好完全看護。
女の帝国ナースステーション。看護師とかいう呼び方はやめろ。看護婦でいい。男は看護すんな。
院長先生は院長回診の時だけ出陣。面白い巨塔。大名行列。参勤交代。
院長室なのでなんちゃって暖炉も完備。エアコン内蔵。大理石っぽい棚。プチリッチ。安いプライド。
和室にベッド。作りからして仮眠室。夜勤病棟。ナース24時。ナースが夜来て抜いてくれるという伝説。
連絡通路。入院患者はヒマで徘徊。入院という懲役。故に病は罪。人はなぜ健康でなければならないか。
病人の巣窟。患者の溜まり場。健康落ちこぼれ収容施設。クランケのゲットー。それが病院。
ナースのロッカールーム。若いコスプレ女が服を脱いだりする病院でもっともエロい空間。病院のオアシス。
リクライニングのベッド。歪んだ寝床。畳という寝床に更に寝床を重ねる。昔の天皇より格上。
病人が大慌てでやってくる。入院患者は玄関から出れない。退院という出所をするその日まで。
病院だから「手コキ」と連想したのか。わざわざ書くことかそれ。その表現は我慢できなかったのか。
階段を登りつめると、そこにはホワイトホールがあった。「洗面所」にたどり着くのは選ばれた存在のみ。
ベッドと担架。とにかく寝かせられる。でも昼間寝ると怒られる。でも起きると怒られる。安楽は天国ではない。
寝ながらにして全てを行う究極のズボラ生活。でも長居したくない。天国って、案外そういう所かもしれない。
確かに病気は治るかもしれない。だが誰もがここで大事な何かをなくす。無論、金も。
「薬変わりますから」とか患者に告げても、ほとんどの患者には判別などできない。理由を聞かれても困る。
滅多にない経験、入院。楽しくない入院。ここは天国でも地獄でもない、現実そのものと向き合う娑婆。
TELコメント:
病院物件で、当然のごとく心霊スポットとしてそれなりに名をはせた物件です。
一昔前は、ネット上でこの物件名をよく目にいたしました。
目の前が24時間稼働する公共の施設が有る故にちょっと侵入がしにくい立地の為か、
過度な人為的破壊もなく、残留物もほどほど残り保存状態はなかなかの物です。
最近はあまりこの規模の病院廃墟も耳にしなくなりましたが、それはそれで世間的には良い事と思います。
pcfxコメント:
病院廃墟は格好の心霊スポットにされてしまうが、廃墟探索者にとって病院が怖いのは最初の2件くらい。
わりとすぐに慣れるのが病院廃墟だ。建物の作りも配置も、置いてあるものも似たり寄ったり。代わり映えしない。
医者も看護婦も「科学の住人」なわけで、病院は「科学の砦」であり、そこに霊などお呼びでないのだ。死んだら
とっとと病院から追い出されるので取り憑く島もない。
死に一番近くて遠いところ、それが病院廃墟だ。